「自分を責めなくていい」生きづらさに寄り添い続ける対話。心理カウンセラー・まいさんの想い
心理カウンセラーまい
画面の向こう側、あるいは静かな空間で、張り詰めていた糸がふっと緩む瞬間がある。仕事や家庭、人間関係のなかで「自分が我慢すれば丸く収まる」「もっと頑張らなければならない」と無意識に自分を追い込んでしまう人は少なくない。
心理カウンセラーとして活動するまいさんのもとには、誰にも弱音を吐けずに抱え込んできた苦しみや、漠然とした生きづらさを打ち明ける相談が日々寄せられている。画面越しに向けられるのは、飾らない温かな眼差しと、相手の言葉を急かさずありのまま受け止める静かな時間だ。

誰かの期待に応え続け、自分を見失った日々
今でこそ相談者の心に深く寄り添うまいさんだが、かつては自身も深い孤独と葛藤の渦中にいた。幼い頃から周囲の顔色を敏感に察し、「いい子でいなければ価値がない」「期待を裏切ってはいけない」という思い込みに長く縛られていたという。
大人になってからも他者の都合を優先し、自分の感情には蓋をし続けた。うまくいかない出来事があるたびに「すべて自分が悪いのだ」と自らを責め立て、心が限界を迎えていることにすら気づけなかった。
「苦しいのに、何が苦しいのかすら言葉にできませんでした。助けてと言えないまま立ち止まることになり、初めて『私は自分の本音をずっと無視してきたんだ』と気づいたんです」
心身の調子を崩した経験を機に、まいさんは心理学やメンタルヘルスの学びに没頭した。自分を苦しめていた思考の癖を一つひとつ解きほぐし、痛みを伴いながらも自己受容の道を一歩ずつ歩んでいった。その原体験こそが、現在の活動を支える確固たる土台となっている。

「正論」で片付けず、感情の根っこに耳を澄ませる
カウンセリングにおいてまいさんが最も大切にしているのは、安易なアドバイスや一般論を押し付けないことだ。悩みを打ち明けた際、「もっと前向きに考えよう」「こうすれば解決する」と正論を返され、かえって孤独を深めてしまう相談者は少なくない。
まいさんの対話は、まず「そう感じてしまうのは自然なこと」と、ありのままの感情を受け止めることから始まる。
「解決策を急ぐ前に、まずはその人が抱えてきた悲しみや悔しさをそのまま受け止める時間が必要です。正論はときに人を追い詰めますが、丁寧な共感は強張った心を解きほぐします」
相談者の表情や声のトーンに細やかに意識を向け、語られない行間の想いまで丁寧に拾い上げるセッションでは、主に以下の段階を意識しているという。
- 感情の表出と受容:否定される心配のない安全な場で、溜め込んだ本音をすべて言葉にする。
- 思考の枠組みの可視化:「〜すべき」という無意識のルールや囚われに気づく。
- 本来の願いの言語化:他人の期待ではなく、「自分はどう生きたいか」を対話を通じて見つけ出す。

日常に戻った後も続く、小さな安心の灯火
カウンセリングの時間は、人生全体から見ればわずかなひとときに過ぎない。だからこそ、セッションを終えて日々の荒波に戻ったとき、相談者が一人で立ちすくんでしまわないための関わりを重んじている。
対話を通じて得た気づきを日常で活かせるよう、まいさんはそれぞれの生活リズムに合わせた無理のない工夫を提案する。
- 感情が波立ったときに自分を取り戻す呼吸法やセルフハグ
- 湧き上がった感情をジャッジせずに書き留めるワーク
- 次のセッションまでの間に不安になった際のメッセージフォロー
「セッションが終わった瞬間がゴールではありません。日常の中でふと『私は私のままで大丈夫なんだ』と思い出せるような、小さな安心の灯火を心に手渡したいと思っています」
どんな感情も否定せず、歩幅を合わせて歩む
SNSでの発信をきっかけに、まいさんのもとには幅広い年代からメッセージが届く。生きづらさを抱える人々の多くは、総じて「他者に優しく、自分に対して厳しすぎる」とまいさんは語る。
今後はオンラインでの個別対話にとどまらず、同じような悩みを抱える人々が安心して繋がれる場の提供や、セルフケアを学ぶ講座の開催も視野に入れている。
「自分をすぐに好きになれなくても、まずは『責めない』ことからで大丈夫です。焦る必要はありません。あなたの歩幅に合わせて、いつでもここで待っています」

取材・文=みつかるグラム編集部

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